Archive for 1月, 2010
滝が谷公園ニュース…第24号 2007年2月1日
ドングリを拾って「ドングリ預金」
滝が谷公園には秋になると沢山のドングリが転がっています。これらのほとんどは、人に踏みつぶされる、あるいは土に埋もれる
などに任されてきましたが、これではもったいないとドングリ拾いを企画したところ、神の谷児童館さんが快く応じて下さり、12
月2日、約10人の元気な子供さんと一緒に園内のドングリを拾って回りました。10人で約1時間拾い集めた成果が、バケツ2杯分の
ドングリ。重さにして14.4kgでした。滝が谷公園で取れるドングリは、比較的小さいものが多く1個あたり1グラムから3グラム。
従って集まった個数は約7000個ほどという計算になります。
集まったドングリは半分をクマ被害で困っている宍粟郡の農園に、そして半分は「ドングリ銀行神戸」へ「2850ドングリ」として
「預金」しました。ドングリ銀行神戸さんは集めたドングリを苗に育てて、また返すという活動を1995年から行っておられ、5月の
総合運動公園での緑のイベントで希望すれば クヌギ(100ドングリ/本)、ケヤキ(500ドングリ/本) 等の苗木として「ドングリ預金」を
「引出し」てくれます。また「預金」は1年以上預けたままとすることもでき、毎年10%の利子が付くそうですから、低金利のこの時
代利用しない手はありませんね。
ドングリ銀行神戸さんの連絡先は次のとおり マスダマキコ代表 TEL/FAX997-5541 Email: massuda@par.odn.ne.jp
公園と地域の安全に関する動き
滝が谷公園では8月に神戸市、神の谷児童館と合同で遊具の安全チェックを実施しましたが、関連報道が12月19日付神戸新聞にありま
した。 これによると、2005年に神戸市内の公園で子供が負傷する事故が約20件発生したこともあり、この4月以降、事故や危険情報
の緊急連絡先を記した「公園情報看板」が設けられるということです。
これとは別に、公園東側の遊歩道(通称あかみち)に高輝度街灯が増設されました。あかみちは夜道が暗く不安という声があり、昨年よ
り神戸市が展開している街灯高輝度化事業の一つとして採用されたようです。
公園周辺の住宅では車上荒らしや泥棒被害なども発生しており、遊歩道へのバイク侵入問題も含め、地域の安全は地域住民が知恵を出
し合って取り組んでいく必要があると感じます。
2月-4月の活動予定
2月 : 4日、18日 ~ 施肥、高木剪定等 (各15時-17時) 3月 : 4日、18日 ~ 落ち葉拾い、植樹等 (各15時-17時)
4月 : 1日、15日 ~ 掃除等 (各15時-17時) どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
滝が谷公園ニュース…第23号 2006年11月13日
のじぎく兵庫国体
9月30日から10月10日までの11日間、滝が谷公園から歩いて5分のユニバー記念競技場でのじぎく兵庫国体が開催された。この間、
公園の西入口からもよく見える炬火(きょか)台に火が灯され、特に夜間の炬火は幻想的であった。炬火が灯されたのは1985年のユ
ニバーシアード大会以来ということである。今のじぎく国体は高砂の高校野球やマスコット「はばたん」が全国的に話題となった
が、ここユニバー競技場でも会期末の陸上競技で全国各地からの名選手達が高いレベルの実力を発揮し、歓声が谺した。全国各地
からこれだけの人々が集まる機会は滅多になく、日本にはこんなに沢山の地域があるだということを炬火台に連なる約50本の都道
府県旗を見て改めて認識した。
開会式に天皇皇后両陛下が臨席されたこともあり、9月初旬に滝が谷公園をはじめとする周辺街路樹・公園は一斉に草刈り、剪定が
なされ、われわれ公園ボランティアとしては秋の仕事が一つ軽減された。 ただ、あまりに一斉に草刈りがなされたせいか、葉虫が
隣接民家に侵入した、カマキリが路上をさまよっていたという声も聞かれた。
緑と公園の集い
神戸市全域の公園管理会が年に一度集う、「緑と公園の集い」がこれも滝が谷公園から歩いて10分の総合運動公園体育館で10月21日
に開催され、出席した。会合には約600名が集まり、神戸市の公園および公園ボランティア活動の広がりを改めて認識した。
会は各管理会の永年表彰が主であるが、今年は初めての試みとして管理会活動の悩み意見交換会という場が持たれたので飛び入り参
加した。20人ほどの集まりであったが、各公園共通の悩みは犬の散歩と糞害をどう折り合いを付けるか、落ち葉の処分をどうするか
であった。犬問題については、犬の散歩禁止としているところもあるとのことであったが、あまり「xx禁止」看板だらけにはしたく
ないなということでは一致していた。落ち葉について、滝が谷公園では余ったスペースに落ち葉ためを作り堆肥化も図ることで解決
しているが、ある公園では 回収した落ち葉で焼き芋パーティを開催して地域交流にも役立てているとのことであった。因みに、公園
での火気使用は地面や設備を汚さなければ許容されるとのことであった。
ところで、同じ総合運動公園内にグリーンスタジアム神戸がある。この球場は全面天然芝で、外野の樹木に飲み込まれるようなホーム
ランの風景は、ドーム全盛の日本にあって野球本来の美しさを味わえる数少ない球場である。
つい7年前までイチロー人気で賑わった球場も最近はオリックスの不振で寂しい限りである。また現在は僅かな広告収入を目当てに某航
空会社の名前を冠しているが、神戸の緑の象徴でもある『グリーンスタジアム』に戻って欲しいと筆者は常々思っている。なお、グリー
ンスタジアムの一塁側外壁に今年”Wall of Fame (名選手の壁)”という展示が設けられ、イチローを筆頭とする旧阪急・旧近鉄の名選手の
勇姿が拝めるようになっている。 試合開催時にしかそばに寄れないが、一度ご覧になられてはいかがか。
11月 : 5日、19日 ~ 落ち葉拾い等 (各15時-17時) 12月 : 3日、17日 ~ 落ち葉拾い等 (各15時-17時)
1月 : 7日、21日 ~ 樹木剪定等 (各15時-17時)
滝が谷公園ニュース…第22号 2006年6月23日
樹名板をはる会
夏真っ盛りの8月5日、神の谷児童館のみなさん、地域の方、神戸市公園管理の方々をお迎えし、樹名板を貼る会を開催しました。
当日は照り付ける日差しの中、子供たちの歓声に包まれながら広い園内を巡り、5月27日の準備会を経て準備したアカガシ製の名板を
シュロ縄で各樹木に結わえていきました。滝が谷公園には64種、1050本の樹木がありますが(美しくし隊調べ)、それらのうち主な樹
木22本に名板が付きました。いずれも歩道より見えやすい場所に取り付けていますので、散歩がてらどんな樹が園内にあるのか
「発見」するきっかけになれば幸いです。
名板を付けた樹木 メタセコイヤ、クスノキ、トチノキ、サルスベリ、サザンカ、クロガネモチ、ケヤキ、オリーブ、イチョウ、
アキニレ など22本「この名前違うで」 「この樹にも名板を付けたい」などありましたら美しくし隊までご連絡を!
富良野? いえ 滝が谷公園のケヤキです
今年は7月中旬まで雨が多く涼しかったですが、それ以降は体温を超えるような厳しい暑さが1ヶ月近く続きました。 例年ピンク色の花
で目を楽しませてくれるサルスベリが今年は外れ年のようですが、木々の緑は暑さと適度な雨で活き活きとしています。
滝が谷公園と目と鼻の先のユニバー競技場では9月に開催される兵庫国体の準備で賑やかになってきています。
公園の安全チェック/アンケート
同じく8月5日、神戸市公園管理課/西部建設事務所と共同で、児童館の子供たちを対象とした公園遊具の安全チェック/アンケートを行
いました。これは、都市公園での事件、事故を未然に防ぐため利用住民のナマの声を聞いていこうと神戸市が取り組んでいる活動の一
環で、今回の催しが今年度全市で初の事例ということです。
当日は低学年の子供さんの関心を「公園大図面」および子供用アンケートで何とか引き留め、すべり台やブランコについてのヒヤリハ
ット事例を聞き取ることができました。
滝が谷公園では、従来より高い鉄製すべり台を低いプラスチック製すべり台に代えるなどの安全対策が取られていますが、市の方によ
るとプラスチックをすべることによる静電気で火傷した例もあるということで、完全な安全対策というものはないということを改めて
認識しました。遊具の安全性の他に、樹木による死角をどう無くしていくかも一つのテーマであり、今回の安全チェックの結果、砂場
の東側の植え込みを少し刈り込むこととしました。
9月-11月の活動予定
9月 : 3日、17日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時) 10月 : 1日、15日 ~ 落ち葉拾い等 (各15時-17時)
11月 : 5日、19日 ~ 落ち葉拾い等 (各15時-17時)どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
滝が谷公園ニュース…第21号 2006年6月23日
芝生はり 6年目
2001年からはじめたグラウンドへの芝生はりは今年で6年目。今年は例年より広めの200m2に地域の方々の飛び入り参加も受けて
3時間ほどで貼り付けと目地砂入れを終えました。 当初はグラウンドの周辺でしたので芝生の保護柵もあまり邪魔になりませんでし
たが、今はグラウンドの内部に入り込んでいるので、野球やサッカーをお楽しみの方々には少々ご迷惑かもしれません。8月末まで
養生を行う予定ですので、暫くのご辛抱をお願いいたします。
樹名板をはる会
今年はじめての試みとして、芝生はりと同じ5月27日に樹名板をはる会(準備会)を開催しました。 当日は神の谷児童館の先生、児童
さんが多数参加下さり、日ごろ見慣れた樹木はこんな名前だったのか、オリーブなんかがここにあったのか、など新鮮な発見と子供
さんたちの歓声に包まれながら園内の樹木を巡り樹名板を取り付ける木々に目印を付けて行きました。今回目印を付けた樹木は約20
本。名札を児童館さんと美しくし隊で分担して製作し、8月5日(10時)に改めて樹名板を取り付ける会を催す予定です。なおこの会に
合わせ、滝が谷公園の樹木マップを製作いたしました。ご希望の方にはお分けしますのでご連絡下さい。
サクラを枯らせてしまいました。
3月末にサクラ並木の合間にソメイヨシノの苗木3本を植えました。5月までは葉も茂り順調に育っていたのですが、5月の下旬頃から
3本とも急に葉が落ち始め、慌てて水やりを行いましたが甲斐なく6月に入ると全く葉のない枯れ木となってしまいました。苗木が夏
を前にこのように枯れてしまうのは初めての経験なので、地域の緑の専門家の方に診て頂きました。その結果、並木の「合間」は以
前も苗木が枯れた場所であるから何か枯れる原因が「土地」にあるのではないかというご指摘を頂きました。そういえば・・・今回
苗を植える前、掘った穴に雨が池のように溜まっていたことを思い出しました。枯れたタイミングが今年の5月の長雨の直後であっ
たことからも、枯れた原因は水が溜まりやすい「場所」に植えたために、長雨の後に根が腐ったためのようです。こうした知識を知
らずに高価な苗木を無駄にしてしまったことが悔やまれます。 専門家の方からは、もし同じ場所に再度植えたいのであれば、マウン
ドを盛り上げて、その上に植える方法はあるとアドバイスを受けています。来年の春までにどうするか考えて見たいと思います。
緑に浮かぶ時計台
授業参観で訪れた神の谷小学校の校舎4階から滝が谷公園を望むと、時計台が樹木の緑の中に浮かんでいるように見えました。
7月-9月の活動予定
7月 : 2日、16日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時) 8月 : 6日、20日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時)
5日(予定) 樹名板の取り付け 9月 : 3日、17日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時)
どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
滝が谷公園ニュース…第20号 2006年4月16日
この4月初めは、ウメとサクラが同時に咲いている日があるという珍しい年でした。ウメの開花が遅れたのは冬の寒が厳しかった
影響ということです。 滝が谷公園のサクラ並木は今年も1週間にわたり咲き誇ってくれました。『松尾公園のサクラに比べると小
振りやねえ』という声を聞きましたが、これは松尾公園は地山の土壌が残っているのに対し、滝が谷公園は造成後埋め戻した人工
土壌という違いのせいかもしれません。
下記論文でも触れていますが、ソメイヨシノはサクラの中でも寿命が短いことが特徴で、現に滝が谷公園のサクラも枯れかかって
いるものが10本近くあります。
美しくし隊では、3月末にソメイヨシノ3本を神戸市より提供頂き、並木の合間に植えました。根回りが固まらないよう半年間ほど
竹柵で囲います。また婦人会さんの要望を受けて神戸市がサクラ並木の下にベンチを4カ所設置して下さいました。
このお陰で今年の花見はベンチに座って、心ゆくまで満開のサクラを楽しんでいる方が目立ちました。 ここ数年花が付かなかった
シダレサクラも1月の手入れの甲斐あってか今年は花を付けました。サクラもウメも愛着を持って手入れすることが大事ですね。
公園の樹木に名札を付けよう! & 芝生を増やそう
滝が谷公園には約1000本の樹木があります。 樹々への愛着を深めるため、みなさんお好みの樹木へ手作りの樹名板を付けて頂く催
しを次の通り開きます。どなたでもご参加頂けます。 またあわせて例年恒例のグラウンドへの芝生はりも行います。
日時:2006年5月27日(土) 雨天順延 9時ー12時 : 芝生はり 13時ー15時: 公園の樹木巡り、樹名板製作のご案内
この日は、みなさんに樹名板を付けたい樹木を選んで頂き、名板の素材をお渡しします。できあがった樹名板の貼り付けは7月を予
定しています。
5月-7月の活動予定 5月 : 7日、21日 ~ 草刈り、剪定等 (各16時-18時) 27日(予定) 芝生はり、樹名板準備
6月 : 4日、18日 ~ 草刈り等 (各16時-18時) 7月 : 2日、16日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時)
どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
付記: 美しくし隊の発起人であり、今号まで連載の「滝が谷公園の自然」の筆者でもあるZ氏が3月に神の谷を去られました。
この場を借りて『ありがとうございました!』美しくし隊はこれからも初心を忘れずに活動を続けて参ります。
連載「滝が谷公園の自然」 3これからの公園
4.これからの公園 ~ 潜在自然植生を基本として
1)豊かな生物相とは反対の極にある単一生物層の見本が「芝生」である。ここで見られる生物は、昆虫を含めても10種以下であろ
う。しかしながら、多人数が利用する公園にあっては、芝生の存在は、肯定される。特に滝が谷公園の広場の場合は、4%の勾配が
あり(一般的には、公園の勾配は2%以下である)、砂の流出の見られることから、全面芝生化の意義がある。
2)「美しくし隊」が2001年の活動開始当初に目指していたのは「公園の里山化」であった。これは、その深層として「潜在自然植
生に基づく公園の管理」とも言える。 芝生化を促進しつつ、老化しているソメイヨシノの後継樹(ヤマザクラまたはサトザクラな
ど)を植えるとともに、花木(特に低木の花木)を増やすこと等計画的な植樹がなされる必要があろう。ソメイヨシノの後継樹にヤマ
ザクやサトザクラなどの樹種が望ましい理由として、ソメイヨシノは、クローンであって、寿命が通常60年程度に過ぎないとされ
ていること、病気に弱いという弱点があること等があげられる。
3)植樹や管理活動においては、「美しくし隊」の会員のみならず、公園利用者としての近隣の地域住民、特に子どもたちを巻き込
んだ活動が求められる。この意味で「芝生はり」や「樹名板作り」などの地域住民の誰もが気軽に参加できる活動は、重要であ
る。
4)酸素を発生させることができるのは、植物だけである。動物は植物が発生させた酸素を吸収して炭酸ガスを排出し、植物から得
た炭水化物でエネルギーを得ているに過ぎない。結局、食物連鎖の基本部分は、植物のみが担っている。この意味で、動物は植物
に寄生している存在である。人間自身がその尊大さに気づき、ひいては「自身は自然界の一部に過ぎない存在である」という謙虚
な認識に立つことができるならば、地球温暖化をはじめとする環境悪化に一定の歯止めができること、少しでも積極的に美緑化活
動を推進することが「未来からの使者」とも言いうる子どもたちに引き継ぐべき良好な環境も保持し得るであろう。
5)注目すべきは、「進化し続ける公園」という考え方である。都市計画のコンサルタントないし学者による産物であろうが、公園
そのものの本質をあらわしていると私は考える。公園そのものが自然界の一部であるなら、「完成」することはありえない。つま
り、「完成した公園」なるものは、想像上の概念なのである。この意味で、今後とも息の長い活動としていきたい。
以上の如く、潜在自然植生をベースに、公園の美緑化活動を熱意をもって継続していくことが「すごしやすい」、「多数に利用さ
れる」、快適なレクリエーション空間、ビオトープとしての「公園」に繋がるものと考える。 完
滝が谷公園ニュース…第19号 2006年2月11日
今年は数年ぶりの積雪があるなど寒さが厳しく、春が待ち遠しいものですが、公園では春支度が進んでいます。中央広場に植
わっているシダレサクラは近年少し元気がないので、枯れ枝の剪定・消毒と根回りの掘り起こしと施肥を行いました。4月の
開花はどうなることやら。また、サクラの北側には神戸市さんが高鉄棒を設置されました。3月中にはサクラ並木の間にベンチ
が追加されるそうです。今から花見の季節が楽しみですね。
公園の東北角にはメタセコイヤが約20本植わっており、高さ10m近くに育っています。 春の新緑、夏の深緑が眩しい木々も冬
はうら寂しい様相のみですが、冬の夕陽に屹立する姿が一瞬の輝きを見せていました。
連載「滝が谷公園の自然」 2潜在自然植生
3.「潜在自然植生」という考え方
生態学の概念のひとつに「潜在自然植生」という考え方がある(宮脇昭・横浜国立大学名誉教授、財団法人国際生態学センター
研究所長)。つまり、人間が手を入れない当該土地本来の植物の集まりは、どのような状態なのか(この植生では、高木、中木、
低木、下草という良好な生態系が創出、維持される故に、何十種という豊かな生物相となり、管理は不要である)、このような
良好な生物環境を「作り、守り、育てる」(同教授)ためには、どうすればよいかという問題提起である。――同教授は、20数
年前から、新日鐵の10「工場の森化」(単なる「緑化」を超え、今では高さ20mを超える自然林となっている)を計画立案して
実地指導をされた。最近でも裸地化していた「万里の長城」にモウコスギを植樹して緑化を図るなど数々の実績を積んでおられ
る。同教授の植樹は、例えばシイノミ(ドングリ)を採取し、その実をポッドで発芽させて苗とし、その苗を当該裸地にそのまま
肥料も与えず植えつけ、2年間程度下草刈りを行うという、ごく単純な方法を採用され、自然林の生育を図られている――現存
の植生は、いわば『厚化粧』を施した状態」であり、「『素顔』である」土地本来の植生から、様相を異にする。換言すれば、
現存の植生は、潜在植生とは大きく異なっている。例えば、神戸の後背地である六甲山は、幕末ごろには、薪炭用に切り出され
たため、はげ山となっており、昭和13年の「阪神大水害」の遠因となった(幕末の錦絵に描かれた山は、裸地である)。現在の六
甲山の緑は、砂防行政が中心となって形成した人工林である。
このように、人が居住し、農耕により生計を営んできたことなどにより、原生林が消滅した現象そのものは、歴史の産物であり、
やむをえないといいうる。しかしながら、ゴルフ場のように山林を切り開いて芝生を植きつめ、芝生の生育を維持するために殺
菌剤、殺虫剤を年中散布し続ければならない(この薬剤散布を怠れば雑草に覆われ、芝生は消滅する)状況は、果たして自然界に
とっての「許容範囲」であろうか。また、日本では、緑被率が65%といわれるが、その内実は、換価性の高いスギ、ヒノキなど
の浅根性の針葉樹をいっせいに植林し、間伐を怠っている(採算が合わないので、やむを得ず間伐せず、放置されている)ために
細木化した針葉樹林となっている。これにより、近年頻発する集中豪雨による土砂崩れが各地で発生している状況を放置してお
いてよいのであろうか。
ところで、西日本の森は、人による影響を受けるまでは、「照葉樹林」といわれる常緑で、革質で光沢のある葉を持つシイ、カ
シ、ツバキなどの常緑広葉樹林で覆われていたというのが植物学者の通説である。これらの森林が製鉄などのために大量に伐採
され、森が破壊されていく様子は、宮崎駿監督が描いたアニメ「もののけ姫」からうかがい知れる。人の営みによって消滅した
原生林ではあるが、少なくとも日本では全滅しなかった。原生林の名残をとどめているのが、いわゆる「鎮守の森」である。
斜面地や土地の高いところに立地していた元来の森や水源であった湧水地を含む森は、知恵者の「機転」で作られた(と思われる)、
「この森を伐採すれば、タタリがある」とか「この森には、この木には神が宿っている」という言い伝えにより、皆伐をまぬかれ、
維持されてきた。
(次号に続く)
公園の樹木に名札を付けよう! 準備中。次号詳細ご期待!
2月-4月の活動予定 2月 : 5日、19日 ~ 樹木の追肥等 (各15時ー17時) 3月 : 4日、18日 ~ 側溝さらい等 (各15時ー17時)
4月 : 1日、15日 ~ 植樹等 (各15時ー17時)どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
滝が谷公園ニュース…第18号 2005年11月23日
今年は夏にほどよい降水があり、秋の気温も高目であったことから、例年よりやや遅い11月下旬になって滝が谷公園の紅葉も見頃と
なりました。紅葉を楽しみながら散歩している人と犬を撮らせて頂きました。美しくし隊にとっては、紅葉の季節は落葉拾いの季節
の始まりであります。
竹ほうき、箕、大型袋の「落葉拾い三種の神器(写真左)」を抱えて公園内を駆けずり回り、拾った落葉は廃木を組上げて作った落葉た
め(写真上)に集めます。落葉は1~2年を経て良質の堆肥となり、サクラの肥料などに再利用しています。
12月-2月の活動予定
12月 : 4日、18日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時)
1月 : 8日、22日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時)
2月 : 5日、19日 ~ 樹木の追肥等 (各15時ー17時)どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
1.「鎮守の森」と大山寺原生林
後述のとおり、土地本来の植生(植物の集まり)である、自然潜在植生を推定しうる有力な「手がかり」が「鎮守の森」である。
日本ではアミニズムと合体し、「木に神が宿る」、「木を切るとタタリがある」などの言い伝えが、土地本来の植生を保存、維持す
る結果につながり、神社や寺がその「拠点」となった。この「鎮守の森」では、基本的に伐採が禁止されてきたため、土地本来の種
の存続、維持が可能となった。新興住宅地である「神の谷」では、「鎮守」そのものが存在しないが、当地では、近傍の「太山寺原
生林」(太山寺の南東斜面林:右図参照)が、立地、直線距離、土壌、気象条件等から潜在自然植生と考えて間違いあるまい。自然植生
にあっては、人間による維持管理は不要である。この原生林は、コジイ、ウバメガシなどの常緑広葉樹で覆われている。滝が谷公園
もまったく手を加えず放置する(この場合、文字通り手を入れないことを意味する)ならば、何年かの後には太山寺原生林と同じ林相
が出現するのである。原生林の形成に要する時間については、残念ながら分からない。この考え方の傍証としては、当公園に自生す
る「アキニレ」をあげることができるであろう。人によって植えられてはいないことが確実なこの木(ツツジの株間など到底人間が植
えたとは考えられないところにある)、鳥の媒介により発芽したことは、ほぼ間違いない。このように自然発生ともいうべき、人の仲
介によることのない、植物の発芽、生育が絶えず繰り返し行われており、例えば火災による裸地化が起きるならば、1年性の草が出た
後、ススキのような多年性の草、陽地性のマツなどが出現し、経年変化により、陰地性の高木などが順次、現れ(専門的には「遷移」
と呼ばれる現象)、最終的には自然植生に戻るのである。
2.「白砂青松」と「松竹梅」
日本の代表的な風景といわれる「白砂青松」であるが、マツの生育環境は限定される。マツは陽木であって、日照がなければ生育で
きない。しかも代表的な生育場所は、尾根筋や急斜面地などの貧栄養の土壌である。宮城県の松島のように、小島の狭小な頂に生え
るマツが典型例である。マツは、富栄養化したところや直射日光を受けないところでは、枯死する。タケ(モウソウチク)は、250年
ほど前に中国から輸入された外来種である。ウメも同じく中国からの外来種である。外来種であるという理由で、排除することもい
かがとは思うが、日本の固有種でないことは確かであり、維持管理に手間がかかることは、事実である。
(次号に続く)
滝が谷公園ニュース…第17号 2005年9月11日
今年も台風シーズンが到来。昨年の台風では滝が谷公園でも樹木が倒れるなどの被害がありましたが、この機会に防災の観点から公園
が果たす役割について改めて考えてみます。そもそも滝が谷公園は、地下に幹線道路トンネルが通っており、周辺住宅を騒音振動(それ
ほど気にならないものの)から守っているという側面がありますが、防災という観点での特筆すべき経験は何と言っても阪神大震災後の
4年間(95年4月~99年9月)、グラウンド部に約50戸の仮設住宅が建てられたことです。 仮設住宅は夏暑く冬寒く、また住まれた方も旧
市街地からニュータウンへの突然の環境変化と問題もはらんでいましたが、心ある仮設の方々がこの公園に親しみを感じ、清掃や花植
えなどを行って下さったことが、それまで広過ぎるが故にあまり住民による手入れが行われていなかった公園の手入れを自分たちでや
ろうという私達美しくし隊の活動の原点となりました。また97年春に友が丘で発生した連続児童殺傷事件では、公園が犯罪の現場とな
ったことから現場から10km近く離れた当公園でも急遽樹木の下枝刈りが徹底的に行われました。 この経験はともすれば公園が防犯の
盲点となり得ることを周辺住民の心に深く刻みました。このグラウンドに6年前まで震災仮設住宅があったニュータウンの高台に位置
する神の谷地区で今後想定される災害としては、阪神大震災と同程度以上の地震(南海地震)と住宅火災が挙げられ、万一の際この公園
は、再度仮設住宅の用地や、防火拠点として活用されることが予想されます。この公園の特徴は、甲子園球場と同じ広大な面積が豊か
な緑に囲まれていることですが、小学校と未利用空き地が隣接していることもあります。少子高齢化の進行に対応して、小学校への福
祉施設の併設や空き地の有効利用が行政でも検討されているようで防災としての公園の役割を考える上では、当然そうした動きも取込
んでいく必要があるでしょう。私達美しくし隊が行っている、草刈り、植樹、下枝払いなどは防災という観点よりも、地域の居住性向
上、防犯という役割が大きいといえますが、万一この公園が防災拠点として活用される場合は何ができるのかを常に心に留めておきた
いと考えています。
9月-11月の活動予定
9月 : 4日、18日 ~ 草刈り等 (各16時ー18時)
10月 : 2日、16日 ~ 草刈り等 (各15時ー17時)
11月 : 6日、20日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時) どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
連載:「滝ケ谷」のルーツを探る
大倉山図書館の2Fには、ポートライナーや市営地下鉄などの建設記録が並んでいるコーナーがありますが、
その中に「神戸市新交通システム調査(須磨ニュータウン線)」という報告書があり「須磨に新交通などあったか?」と不審に思いつつ中
身を読むと、この神の谷にポートライナーのような新交通システムを建設する構想があったということが書かれていました。
この調査は昭和50年に運輸経済研究センターという財団法人が行ったもので、名谷駅を拠点駅として神の谷、白川、竜が台、そして南
落合の各地区へ伸びる新交通線が成立するかどうかの検討が行われています。 名谷駅から神の谷へ延びる「神の谷ライナー」について
は現在の「赤道」歩道に沿って建設できるかどうかが検討されており、想定ルート図と建設予想図が載っていました。昭和50年といえ
ば、この名谷団地とあわせてポートアイランドも造成中で、ポートライナーの建設が決まろうとしている時期でした。 自動車の渋滞・
騒音の問題が大きくなっていた時期でもあり、この団地でも新交通が有用ではないかと検討対象になったのでしょう。
滝が谷公園ニュース…第16号 2005年6月12日
美しくし隊恒例のグラウンドへの芝生貼りを5月28日に行いました。今年も西部建設事務所より150m2の芝生を提供頂き、1丁目より
飛び入り参加のご家族を含め9名で約3時間、初夏の日差しを浴びながら気持ちの良い汗をかきました。予定では6月いっぱい養生囲
いを設けますので、グラウンドご利用の皆様にはしばしご不便をおかけしますが、ご理解をお願いいたします。
グラウンドの約5分の1が芝生に
2001年5月以来、毎年150m2ずつ貼り増し、今年で合計750m2を芝生化しました。グラウンドの広さは
約4000m2ですので、5分の1が芝生化されたことになります。 芝生化により降雨による土の流失が減った効果がある他、サッカーや
野球など芝生の上で気持ちよくプレーされている方が増えています。一方、人に踏まれることによる芝生の枯れ・雑草化も一部で進
んでおり、数年後には貼り替えなどが必要となることも予想されます。
6月-8月の活動予定 (毎回16時-18時)
6月 : 5日、19日 ~ 草刈り等
7月 : 3日、17日 ~ 草刈り、水やり等
8月 : 7日、21日 ~ 水やり等
どなたでもご参加下さい。お待ちしています。