神戸市須磨区神の谷滝が谷公園のウェブサイト

滝が谷公園ニュース…第18号 2005年11月23日

紅葉の季節

今年は夏にほどよい降水があり、秋の気温も高目であったことから、例年よりやや遅い11月下旬になって滝が谷公園の紅葉も見頃と

なりました。紅葉を楽しみながら散歩している人と犬を撮らせて頂きました。美しくし隊にとっては、紅葉の季節は落葉拾いの季節

の始まりであります。

竹ほうき、箕、大型袋の「落葉拾い三種の神器(写真左)」を抱えて公園内を駆けずり回り、拾った落葉は廃木を組上げて作った落葉た

め(写真上)に集めます。落葉は1~2年を経て良質の堆肥となり、サクラの肥料などに再利用しています。

12月-2月の活動予定

12月 : 4日、18日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時)

1月 : 8日、22日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時)

2月 : 5日、19日 ~ 樹木の追肥等 (各15時ー17時)どなたでもご参加下さい。お待ちしています。

新連載「滝が谷公園の自然」

1.「鎮守の森」と大山寺原生林

後述のとおり、土地本来の植生(植物の集まり)である、自然潜在植生を推定しうる有力な「手がかり」が「鎮守の森」である。

日本ではアミニズムと合体し、「木に神が宿る」、「木を切るとタタリがある」などの言い伝えが、土地本来の植生を保存、維持す

る結果につながり、神社や寺がその「拠点」となった。この「鎮守の森」では、基本的に伐採が禁止されてきたため、土地本来の種

の存続、維持が可能となった。新興住宅地である「神の谷」では、「鎮守」そのものが存在しないが、当地では、近傍の「太山寺原

生林」(太山寺の南東斜面林:右図参照)が、立地、直線距離、土壌、気象条件等から潜在自然植生と考えて間違いあるまい。自然植生

にあっては、人間による維持管理は不要である。この原生林は、コジイ、ウバメガシなどの常緑広葉樹で覆われている。滝が谷公園

もまったく手を加えず放置する(この場合、文字通り手を入れないことを意味する)ならば、何年かの後には太山寺原生林と同じ林相

が出現するのである。原生林の形成に要する時間については、残念ながら分からない。この考え方の傍証としては、当公園に自生す

る「アキニレ」をあげることができるであろう。人によって植えられてはいないことが確実なこの木(ツツジの株間など到底人間が植

えたとは考えられないところにある)、鳥の媒介により発芽したことは、ほぼ間違いない。このように自然発生ともいうべき、人の仲

介によることのない、植物の発芽、生育が絶えず繰り返し行われており、例えば火災による裸地化が起きるならば、1年性の草が出た

後、ススキのような多年性の草、陽地性のマツなどが出現し、経年変化により、陰地性の高木などが順次、現れ(専門的には「遷移」

と呼ばれる現象)、最終的には自然植生に戻るのである。

2.「白砂青松」と「松竹梅」

日本の代表的な風景といわれる「白砂青松」であるが、マツの生育環境は限定される。マツは陽木であって、日照がなければ生育で

きない。しかも代表的な生育場所は、尾根筋や急斜面地などの貧栄養の土壌である。宮城県の松島のように、小島の狭小な頂に生え

るマツが典型例である。マツは、富栄養化したところや直射日光を受けないところでは、枯死する。タケ(モウソウチク)は、250年

ほど前に中国から輸入された外来種である。ウメも同じく中国からの外来種である。外来種であるという理由で、排除することもい

かがとは思うが、日本の固有種でないことは確かであり、維持管理に手間がかかることは、事実である。

(次号に続く)

Leave a Reply