神戸市須磨区神の谷滝が谷公園のウェブサイト

滝が谷公園ニュース…第20号 2006年4月16日

この4月初めは、ウメとサクラが同時に咲いている日があるという珍しい年でした。ウメの開花が遅れたのは冬の寒が厳しかった

影響ということです。 滝が谷公園のサクラ並木は今年も1週間にわたり咲き誇ってくれました。『松尾公園のサクラに比べると小

振りやねえ』という声を聞きましたが、これは松尾公園は地山の土壌が残っているのに対し、滝が谷公園は造成後埋め戻した人工

土壌という違いのせいかもしれません。

下記論文でも触れていますが、ソメイヨシノはサクラの中でも寿命が短いことが特徴で、現に滝が谷公園のサクラも枯れかかって

いるものが10本近くあります。

美しくし隊では、3月末にソメイヨシノ3本を神戸市より提供頂き、並木の合間に植えました。根回りが固まらないよう半年間ほど

竹柵で囲います。また婦人会さんの要望を受けて神戸市がサクラ並木の下にベンチを4カ所設置して下さいました。

このお陰で今年の花見はベンチに座って、心ゆくまで満開のサクラを楽しんでいる方が目立ちました。 ここ数年花が付かなかった

シダレサクラも1月の手入れの甲斐あってか今年は花を付けました。サクラもウメも愛着を持って手入れすることが大事ですね。

公園の樹木に名札を付けよう! & 芝生を増やそう

滝が谷公園には約1000本の樹木があります。 樹々への愛着を深めるため、みなさんお好みの樹木へ手作りの樹名板を付けて頂く催

しを次の通り開きます。どなたでもご参加頂けます。 またあわせて例年恒例のグラウンドへの芝生はりも行います。

日時:2006年5月27日(土) 雨天順延 9時ー12時 : 芝生はり 13時ー15時: 公園の樹木巡り、樹名板製作のご案内

この日は、みなさんに樹名板を付けたい樹木を選んで頂き、名板の素材をお渡しします。できあがった樹名板の貼り付けは7月を予

定しています。

5月-7月の活動予定 5月 : 7日、21日 ~ 草刈り、剪定等 (各16時-18時)      27日(予定) 芝生はり、樹名板準備

6月 : 4日、18日 ~ 草刈り等 (各16時-18時) 7月 : 2日、16日 ~ 草刈り、水やり等 (各16時-18時)

どなたでもご参加下さい。お待ちしています。

付記: 美しくし隊の発起人であり、今号まで連載の「滝が谷公園の自然」の筆者でもあるZ氏が3月に神の谷を去られました。

この場を借りて『ありがとうございました!』美しくし隊はこれからも初心を忘れずに活動を続けて参ります。

連載「滝が谷公園の自然」 3これからの公園

4.これからの公園 ~ 潜在自然植生を基本として

1)豊かな生物相とは反対の極にある単一生物層の見本が「芝生」である。ここで見られる生物は、昆虫を含めても10種以下であろ

う。しかしながら、多人数が利用する公園にあっては、芝生の存在は、肯定される。特に滝が谷公園の広場の場合は、4%の勾配が

あり(一般的には、公園の勾配は2%以下である)、砂の流出の見られることから、全面芝生化の意義がある。

2)「美しくし隊」が2001年の活動開始当初に目指していたのは「公園の里山化」であった。これは、その深層として「潜在自然植

生に基づく公園の管理」とも言える。 芝生化を促進しつつ、老化しているソメイヨシノの後継樹(ヤマザクラまたはサトザクラな

ど)を植えるとともに、花木(特に低木の花木)を増やすこと等計画的な植樹がなされる必要があろう。ソメイヨシノの後継樹にヤマ

ザクやサトザクラなどの樹種が望ましい理由として、ソメイヨシノは、クローンであって、寿命が通常60年程度に過ぎないとされ

ていること、病気に弱いという弱点があること等があげられる。

3)植樹や管理活動においては、「美しくし隊」の会員のみならず、公園利用者としての近隣の地域住民、特に子どもたちを巻き込

んだ活動が求められる。この意味で「芝生はり」や「樹名板作り」などの地域住民の誰もが気軽に参加できる活動は、重要であ

る。

4)酸素を発生させることができるのは、植物だけである。動物は植物が発生させた酸素を吸収して炭酸ガスを排出し、植物から得

た炭水化物でエネルギーを得ているに過ぎない。結局、食物連鎖の基本部分は、植物のみが担っている。この意味で、動物は植物

に寄生している存在である。人間自身がその尊大さに気づき、ひいては「自身は自然界の一部に過ぎない存在である」という謙虚

な認識に立つことができるならば、地球温暖化をはじめとする環境悪化に一定の歯止めができること、少しでも積極的に美緑化活

動を推進することが「未来からの使者」とも言いうる子どもたちに引き継ぐべき良好な環境も保持し得るであろう。

5)注目すべきは、「進化し続ける公園」という考え方である。都市計画のコンサルタントないし学者による産物であろうが、公園

そのものの本質をあらわしていると私は考える。公園そのものが自然界の一部であるなら、「完成」することはありえない。つま

り、「完成した公園」なるものは、想像上の概念なのである。この意味で、今後とも息の長い活動としていきたい。

以上の如く、潜在自然植生をベースに、公園の美緑化活動を熱意をもって継続していくことが「すごしやすい」、「多数に利用さ

れる」、快適なレクリエーション空間、ビオトープとしての「公園」に繋がるものと考える。       完

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