滝が谷公園ニュース…第17号 2005年9月11日
今年も台風シーズンが到来。昨年の台風では滝が谷公園でも樹木が倒れるなどの被害がありましたが、この機会に防災の観点から公園
が果たす役割について改めて考えてみます。そもそも滝が谷公園は、地下に幹線道路トンネルが通っており、周辺住宅を騒音振動(それ
ほど気にならないものの)から守っているという側面がありますが、防災という観点での特筆すべき経験は何と言っても阪神大震災後の
4年間(95年4月~99年9月)、グラウンド部に約50戸の仮設住宅が建てられたことです。 仮設住宅は夏暑く冬寒く、また住まれた方も旧
市街地からニュータウンへの突然の環境変化と問題もはらんでいましたが、心ある仮設の方々がこの公園に親しみを感じ、清掃や花植
えなどを行って下さったことが、それまで広過ぎるが故にあまり住民による手入れが行われていなかった公園の手入れを自分たちでや
ろうという私達美しくし隊の活動の原点となりました。また97年春に友が丘で発生した連続児童殺傷事件では、公園が犯罪の現場とな
ったことから現場から10km近く離れた当公園でも急遽樹木の下枝刈りが徹底的に行われました。 この経験はともすれば公園が防犯の
盲点となり得ることを周辺住民の心に深く刻みました。このグラウンドに6年前まで震災仮設住宅があったニュータウンの高台に位置
する神の谷地区で今後想定される災害としては、阪神大震災と同程度以上の地震(南海地震)と住宅火災が挙げられ、万一の際この公園
は、再度仮設住宅の用地や、防火拠点として活用されることが予想されます。この公園の特徴は、甲子園球場と同じ広大な面積が豊か
な緑に囲まれていることですが、小学校と未利用空き地が隣接していることもあります。少子高齢化の進行に対応して、小学校への福
祉施設の併設や空き地の有効利用が行政でも検討されているようで防災としての公園の役割を考える上では、当然そうした動きも取込
んでいく必要があるでしょう。私達美しくし隊が行っている、草刈り、植樹、下枝払いなどは防災という観点よりも、地域の居住性向
上、防犯という役割が大きいといえますが、万一この公園が防災拠点として活用される場合は何ができるのかを常に心に留めておきた
いと考えています。
9月-11月の活動予定
9月 : 4日、18日 ~ 草刈り等 (各16時ー18時)
10月 : 2日、16日 ~ 草刈り等 (各15時ー17時)
11月 : 6日、20日 ~ 落葉拾い等 (各15時ー17時) どなたでもご参加下さい。お待ちしています。
連載:「滝ケ谷」のルーツを探る
大倉山図書館の2Fには、ポートライナーや市営地下鉄などの建設記録が並んでいるコーナーがありますが、
その中に「神戸市新交通システム調査(須磨ニュータウン線)」という報告書があり「須磨に新交通などあったか?」と不審に思いつつ中
身を読むと、この神の谷にポートライナーのような新交通システムを建設する構想があったということが書かれていました。
この調査は昭和50年に運輸経済研究センターという財団法人が行ったもので、名谷駅を拠点駅として神の谷、白川、竜が台、そして南
落合の各地区へ伸びる新交通線が成立するかどうかの検討が行われています。 名谷駅から神の谷へ延びる「神の谷ライナー」について
は現在の「赤道」歩道に沿って建設できるかどうかが検討されており、想定ルート図と建設予想図が載っていました。昭和50年といえ
ば、この名谷団地とあわせてポートアイランドも造成中で、ポートライナーの建設が決まろうとしている時期でした。 自動車の渋滞・
騒音の問題が大きくなっていた時期でもあり、この団地でも新交通が有用ではないかと検討対象になったのでしょう。